最近、以前バンコクの有名コールセンターで1年働いた事があるという日本人男性(以下Mさん)と知り合う機会がありました。
過去の仕事内容を色々と伺ってみたところ、意外な事実を聞いて驚く事も多かったので、せっかくなので誰かの参考になればと思いブログにまとめることにしました。
こんにちは、バンコク在住のダイ(@daijirok-jp)です。
下記の記事はMさんにお話を伺ったというだけであり、Mさんの主観と私の主観が色々混じってしまっているため、バンコクにある全てのコールセンター業務に当てはまるわけではないという事、ご了承の上、読み進めていただければと思います。
ちなみにMさんが勤務していたのは2013年ごろだそうです。
入社前について
Mさんはもともと海外旅行が好きでタイにこだわらず日本で会社員として働きながらもよく海外に遊びに出かけていたそうです。
タイには2、3年に1度程のペースでタイに遊びに来ていたそうです。
そんなMさんですが、海外で働きたいと思うにいたり、インターネットで情報を探したところ、コールセンター業務に応募してみることにしました。
面接は日本からスカイプを使った面接で、タイにいる日本人と行なったそうです。
無事、スカイプでの面接をパスして、バンコクにやってきたMさん。
会社で人事の方から説明を受け、ビジネスビザ申請用の書類を受け取り、会社からはシンガポールかマレーシアのタイ領事館でのビザ申請を勧められたので、Mさんはシンガポールにあるタイ領事館へタイのビジネスビザの申請に行きました。
無事ビザを取得しバンコクに戻り、会社でワークパーミットの申請をしてもらいすぐに業務を開始することができました。
このビザやワークパーミット等の手続きは会社としても非常に手馴れていたそうでとてもスムーズだったそうです。
私がタイの国営企業に就職すると事になった時とは大違いです↓
また人事には会社周辺の手頃なアパートの一覧などの資料もあったので、タイに詳しくないMさんに取っては心強かったそうです。
職場について
無事会社に入ると、上司も同僚も皆日本人で、オフィスには50人以上は日本人が働いていたそうです。
オフィスはバンコクにあるにもかかわらずタイ人はおらず、仕事は日本語を使っての電話応対だったため社内にいる限り完全に日本と変わりません。
お昼休みに外食する際に、あぁタイにいるんだったと実感したそうです。
驚いたのは毎月どんどん人が辞めていき、そして入社してくる事。毎月5人くらいが入れ替わっていたそうです。
また、50歳以上の方で勤務している方も結構いたそうです。
日本人がたくさんおり、代わりができる人がいるため、休みが取りやすいということもあり、同僚は旅行好きな方が多かったそうです。
Mさん曰く、経歴問わず、高卒でも入社できるので、日本人なら誰でも入社できる会社だ、なんて事をおっしゃっていましたが、2009年、私がバンコクの人材紹介で仕事をしていた時には、面接をパスしない方も結構いらっしゃいましたので、誰でも入れるというわけではないよです。
ただ万年人手不足という状況だというのは人事の方に伺ったことがあります。
仕事について
初めの2ヶ月は予約等の簡単な業務、2ヶ月目から問い合わせの対応を始めたそうです。
ちなみに「お問い合わせ」の内容は大体がクレームです。
全体的には8割が商品やサービスの予約対応。1割が質問。残り1割がクレーム。といった内容だったと振り返ってくれました。
1日60−100件の電話を取り対応するため、初めは喉や顎が痛くなったりしたそうです。
クライアントが常に電話内容を監視しており、言葉遣いなどを注意されたりしたそうです。
また、実際に対面で受け付けるより電話越しだときつくなる傾向がある。そして、値段が低い製品、サービスの対応は客の質が悪くなる。という印象を持ったそうです。
実際驚くような暴言を吐かれるような事、「今すぐ商品をお前がもってこい」と無理難題を繰り返し言われるような事もあったそうです。
給料について
タイの日本人が働くコールセンターの多くは、タイ投資委員会(BOI:The Board of Investment of Thailand)の外資優遇制度を会社が利用しており一般的に言われるタイにおける日本人の最低月給5万以下の給料でも日本人が雇えます。
これはタイで働く現地採用の間では結構有名な事ですが、その実、そもそも月給ではなく時給で働いていたそうです。
だいたい時給200B(約600円)だっと教えてくれました。
ただし日本のアルバイトもそうですが、シフトを入れまくればそのぶん給料も上がります。
また、勤続、無遅刻、シフトに貢献、電話を受けた際に付随するサービスの紹介、等により時給も上がるため、時給の上がった人がシフトを入れまくって月給7万バーツくらい稼いだという人もいるとの事。
逆にシフトにあまり入っていないと3万バーツを切る事もあり、同じ日本人のコールセンタースタッフでも給料には大きな差があったそうです。
ただ、基本的には3万から4万バーツの人がほとんどだったそうです。
利点・良かったところ
- 休みが取りやすい。
代わりをできる日本人がたくさんあるため、前もって連絡すれば休みの届け出をするのに躊躇はいらないという職場だったそうです。まあ、そもそも時給なのでシフトに問題がなければ会社側も特に痛い事ではないのでしょう。 - 少ない出勤でもビジネスビザが出る。
最低限の出勤をする事によって最低限の拘束時間でもって、B-VISAでタイにいる事ができるという裏技のような勤務も可能。最低限の出勤がどのくらい必要なのかによりますが、これは盲点でした。 - 操作が非常に簡単なシステムが導入されている。
とにかくどんどん人が入れ替わる職場だったので、どんな人でもすぐに使えるMさん曰く「バカでも使えるシステム」が導入されており、属人的なオペレーションを極力排することができるようになっている。もちろんエクセルなんて仕事で使う必要はなくシステム内で完結できる。
欠点
- 基本的に給料が低い。
上の給料のところでも書きましたが、約200B(約600円)です。日本の最低賃金を下回っています。 - 初めは喉や顎が痛くなったりした。
途中で慣れたので痛くなる事もなくなったそうですが、1日60−100件の電話というのは電話を切ったらまたすぐに次の電話を取って、ということの繰り返しで延々と喋り続ける事になるそうです。そんなにおしゃべりではないMさんは、初めはとても疲れたそうです。 - クレームが多く疲弊する。
本当にクレームは罵詈雑言を浴びせかけられて精神的に疲れるんだそうです。想像はなんとなくできますが、やはり直接言われると疲れそうですね、、。
私の感想
最低限の出勤にしてB-VISAでタイに居続けるという戦略があるのには驚きました。とはいえ、クレーム処理をやっていると心が疲弊しそうです。
この記事を書きながらアマゾンでコールセンターに関わる書籍を探したりしましたが、「心が折れない方法」とか「1年で離職率9割」などと大変そうな言葉が並んでいました。
辞めれない、休めないなどというブラック企業ではないのですし、タイにツテもなくそれでも何かしらの理由でタイに住みたい住んでみたいという方は、コールセンターで仕事してみるのも良いかもしれません。
ただMさんに話を聞いている限り、個人的にあまりお勧めはできないなぁという感じです。もし可能ならタイ語留学するなりしてから、5万以上給料が出る所を狙った方がよいかと思います。
自社でコールセンター、ヘルプデスクを抱えている有名企業もあるので、そちらでしたら似たような仕事内容であっても5万以上の給料が出ますので。
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